馬鹿の世界の点景になりたい。

qinggengcai

蒐集癖


バルコニーが、
アイビーだらけだ。

アイビーは、
ふつうはバルコニーには自生しない。
集めないと集まらない、
蒐集しないと集まらない。
育てないと育たない、
栽培しないと育たない。

あちこちに散らばっているアイビーを、
ひと所に集める行為には意味が必要だ。
意味を与え続けないかぎり、
意味がないことになってしまう。

正気に戻れば、蒐集は終わる。
夢から醒めれば、夢は終わりだ。



世界のまるごとは相手にできない。
世界の一部なら切り取れる、そんな気がするが、
実際には、世界のほんの一部だとしても、
僕たちにとっては際限がない。

すべての種類のアイビーを、
バルコニーに収めることはできない。
小葉の園芸種に限定しても無理がある。
無理をせずに集まる範囲、
それでもたぶん無理があるから、
収拾がつかない、そう感じたときに、
蒐集はうやむやに終わることになる。



僕は、世界のほんの一部の、
まったく不完全な体系をバルコニーに構築するが、
どうやら30種くらいで手に余ってきた。

アイビーは生きものだから、
模型や標本のようには溜め込めない。
道具性を奪われて、
ガラスケースに並ぶようなものではない。

蒐集が神経症的になる遥か前に、
すぐに限界がくる。

幸いなことに。







  1. 2013年04月13日 22:03 |
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

コメント

アイビーの蒐集はどこかで線引きして、それに意味をつけて終わりそうですね。
また新しい蒐集がはじまるのではないでしょうか。
そうしている間にアイビーも一つ二つ買ってみたり。
切りがないのが人間の意味づけのような気がします。
アイビーの時代、なんかが自分の年月の流れのなかにできたりするのではないでしょうか。

わたしは本に挟む栞を集めています。
昔の奴は広告が入っていたのですが、今のは味気ないですね。
  1. 2013/04/14(日) 12:46:37 |
  2. URL |
  3. 瀧野信一 #-
  4. [ 編集 ]

そういえば、アイビーの前は、アクアリウムの水草が全盛でした。
その前がベンジャミン。
ベンジャミン紀、水草紀、アイビー紀に分けましょう。

ベンジャミンは室内に置いていましたが、
ベンジャミン紀後期で引越しをしたので、楽園を追われました。
戸外で越冬できなかったのが絶滅の理由です。

水草の絶滅は手間がかかりすぎること。
環境に適応し、手間もかからないアイビーは、
後にアイビー爆発と呼ばれるほど種が増え続けます。

栞、なんだか集まってくる感じは分かります。
大きさがだいたい同じ、
それが案外重要だったりするのかも。
  1. 2013/04/14(日) 13:57:35 |
  2. URL |
  3. 青梗菜 #-
  4. [ 編集 ]

非常に迷いましたが、やはり書かずにはいられません。
蒐集って、つまり、エロスと無関係ではありえないと思います。
俗な意味でも、崇高な意味でも。
あなたに、そばにいて欲しい。
あなたに似たものでも構わない。
あなたと真逆なものでさえ、愛せそうな気がする。それが、あなたを示すならば。
でも、あなたは、あなた。
求めすぎれば、逃げてしまうのかも知れない。
求めなければ、あなたは私の存在に気付いてくれない。
あ、これは俗なほうだけの、見方ですね。


  1. 2013/04/15(月) 20:59:09 |
  2. URL |
  3. 海底まきがい #-
  4. [ 編集 ]

エロスですか~。
エッチなほうのエロスね。
恋愛と呼ぶほうがいいのかもしれません。

で、僕は蒐集癖がないほうだと思うのです。
僕はミニに恋をしていますが、
ミニのプラモもミニカーも、
ひとつも持っていないのです。

それなのに、アイビーが30種も集まってきたから、
これはいったいどういう事態かと。
  1. 2013/04/16(火) 11:00:36 |
  2. URL |
  3. 青梗菜 #-
  4. [ 編集 ]

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