馬鹿の世界の点景になりたい。

qinggengcai

カセットテープとバタークリーム 2/2


初めてCDの再生音を聴いたときのしゃりしゃり感、ざらざら感、
僕たちには、もはやその感覚はありません。

僕たちの味覚や聴覚は、かんたんに変わります。
変わったのは僕たちのほうで、
30年前に良いとされていた音はそのままテープに封じ込められていて、
何も変わっていない、そんな気がします。

テープもデッキも絶滅寸前なので、
その音は、多くの人にとっては、言葉による記憶でしかありませんが。



カセットデッキと70年代のアンプと80年代のスピーカー、
そんな劣化して壊れかけの組み合わせが聴きやすいなんて、
CDの生産から30年も経つのに、僕の聴覚は順応性が悪すぎます。

アナログの音は、角のとれた優しい音です。
音の印象はどうしても比喩でしかなく、
しかし、多くの人がそう感じるのなら、
それはクオリアにつながる話なのかもしれません。



おいしいと感じるものが人によって違うように、
良い音も人によって違います。

生クリームよりもバタークリームが好きという人はバタークリームを選び、
逆の人は生クリームを選びます。
それが当然で、それでいいと思います。

音質が良いか悪いは、
聴いていて心地良いか悪いか、
つまりは、好き嫌いの問題で、
個人的にはそう結論づけても問題はありませんし、
たいていの問題は個人的な問題ですから、
問題は好き嫌いに尽きます。

聴く人にとって、聴きやすいかどうか、
それが当然で、それでいいと思います。
どんな録音再生方式が優れているかの前に。

音楽は、測定機が聴くのではなくて、
人が聴くのですから。
ほかの誰でもなく、僕が聴くのですから。







  1. 2013年01月16日 02:31 |
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

コメント

おっ、いっぱい書きましたね(笑)。

感覚がテクノロジーをつくっているわけではなく、テクノロジーこそが感覚をつくっている、ということですね。
ということは、政治とテクノロジーの癒着に気をつけないといけませんね。

なんて偉そうなことをいっておりますが、わたしは昔つくったカセットテープを廉価で音の悪いCDラジカセで聴いております(苦笑)。
青梗菜さんのデッキが羨ましいです。
  1. 2013/01/16(水) 10:50:32 |
  2. URL |
  3. 瀧野信一 #-
  4. [ 編集 ]

瀧野さん、こんにちは。

書いた、書いた、
月に一度くらいは、
なんとか会社のなんとかさんでも、
なんとかちゃんのお父さんでもなく、
自分を取り戻さないと。

味覚が変わったように、聴覚も移り変わること。
食べものに好き嫌いがあるように、音の好き嫌いもあること。
僕には良い音、ってことを、
僕にはおいしい、みたくつなげてみたくなりました。

僕もラジカセを使っていた頃が、
いちばん熱心に音楽を聴いていました。
そのあたり、個人の物語とか、郷愁とかも混じってきますが、
それも含めて好き嫌いでいいと思うしだいです。
  1. 2013/01/17(木) 19:30:39 |
  2. URL |
  3. 青梗菜 #-
  4. [ 編集 ]

CD時代になってしばらくして、アナログレコードの復権がありましたね。
覚えていらっしゃるでしょう。
そう、レコードの温かみのある音をとかいうフレーズと共に。
しかし、それも忘れ去られ、今は限りなく原音に近い高音質CDブームだ、少なくともクラシックでは。
今はCDも売れないという。iPodなるものの普及で。
僕はiPodなど聴く気がしない。
やはり、大音量でベートーベンですよ。
では、高音質が良いのかとかいうと金がかかるし、うちの貧弱なプレーヤーは、そのSM-CDとかに対応していない。
つまり普通のCDプレーヤーで再生される音を当たり前として疑問抱かず聴いてますが、変かな?
  1. 2013/01/19(土) 01:56:02 |
  2. URL |
  3. oki #-
  4. [ 編集 ]

SACDって、僕の壊れかけのコンポではCDと区別がつかない、
その程度だと思うのです。
流れができると、MP3のように明らかに悪い音でも一斉に流されてしまいますから、
ふつうの人は音質なんて求めてはいませんし。

大音量でベートーベン、実はそんな環境を整えるのがいちばん困難です。
その環境があれば、CDでじゅうぶんですよ。

録音や再生に知恵をしぼって手間をかけたから、
音楽を聴くことが趣味になり得たような気がします。
今どきは録音ではなくて、データのコピーですから、
誰がどんなふうにやっても同じです。
カメラも、車やバイクも、趣味性が乏しくて、
五感が鈍ってくるようなものに流れています。
僕たちは流されるほかはないのですが、
趣味くらいは流れに逆らってもいいですよね。
  1. 2013/01/19(土) 10:17:01 |
  2. URL |
  3. 青梗菜 #-
  4. [ 編集 ]

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