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物語論 ―― ノヴァーリスに添って 19/xx


>物語なら、主人公は、知らない世界に行って、
>新しいことを経験して、成長して帰ってくる。
>たいていは、そんな、よくあるストーリーに集約される。
>そのまま、文字通りにも、比喩的な行為でも、
>旅に出ることはストーリーの基本だ。

郷愁とは、いたるところを家郷にしたいという衝動、
って、ノヴァーリスは言う。
家にしたい、ってことは、家にはしていない。
同様に、郷愁、ってことは、故郷にはいない。
故郷は、遠くにありて想うものだ。

郷愁は、異郷者の衝動であるが、
僕なら、ことさらに、郷愁に駆られることはない。
異郷者なら、彷徨(さまよ)う者として、
彷徨い続ける自分を保ち続ける。
いつの日にか帰らん、なんて思っていても、

もはや、必要とはしていない。
郷愁も、哲学も、それから始まることである。



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    ―― Giada Gatti



―― 以下、余談。
    哲学とは、そもそも郷愁であり ――
    いたるところを家郷としたいという衝動である。[857]

    ―― ノヴァーリス作品集 第3巻 夜の賛歌・断章・日記
    ―― 今泉文子 訳、2007、ちくま文庫

    「でも、詩人には、人間は運命を支配できるという
    確固たる信念が必要なのではないでしょうか。」
    「もちろん必要だとも。
    運命についてじっくり考えれば、
    詩人には、それが支配できないものとは思えないからね。……」

    「故郷をほんとうに知ったのは」とハインリヒは答えた。
    「そこを離れ、よその土地を
    方々見てまわってからのことです。……
    いまにしてぼくは、故郷がぼくの幼いものの考えを
    褪せることのない色彩で染めあげ、
    故郷の心象がぼくの心情を不思議に暗示していたということを、
    よく感じるのです。
    そして、心情と運命とは、同じひとつの概念を
    表わす名前だということが深くわかってくるにつれ、
    ますますその暗示が推察できるようになってきたって。」

    ―― 青い花/ノヴァーリス作品集 第2巻 青い花・略伝
    ―― /今泉文子 訳、2006、ちくま文庫



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テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2021年01月22日 00:00 |
  2. 物語論
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

ノヴァーリスのおっちゃんは
「こんな性格に生まれたんは運命やし、
生まれ変わるまで治らんし、
現世否定して、来世に期待するねん」って
ひがんだこと言うた人と何故か誤解してましたわ。
なんでやろ。人違いかな。
  1. 2021/01/22(金) 01:22:28 |
  2. URL |
  3. ランタナ #bAcQnUEc
  4. [ 編集 ]

ランタナさん、こんにちは。

>「こんな性格に生まれたんは運命やし、
>生まれ変わるまで治らんし、
>現世否定して、来世に期待するねん」
人違いですわw。
ノヴァーリスは、そんなことは言いません。

どこかで書いていたとしても、
性格は運命、とか、生まれ変わるまで治らん、とか、
そんなのは紀元前から言われていることで、
ことさらに、ノヴァーリスのフレーズにすることはないと思います。
  1. 2021/01/22(金) 09:26:48 |
  2. URL |
  3. 青梗菜 #De6CjWPI
  4. [ 編集 ]

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