馬鹿の世界の点景になりたい。

qinggengcai

得意而忘言と、得魚而忘筌と、色即是空 ―― 7/8


        主客を消滅させる答は、
        得意而忘言、である。
しかし、その答は、
問題をこじらせただけで、
        まだ解決はしない。
        忘れなければならないことを、
忘れずに憶えている。
得意而忘言、を憶えている。

        例えば、荘子の「渾沌(こんとん)」で、
        こんな話ができればいいけれど、
荘子を読んで10日めの僕は、
手元にある限りのツールで、
        やりくりするしかない。
        僕にできないことはできないから、

        僕にできることをする。



保福問:「長慶盤山道:光境俱忘,復是何物?
洞山道:光境未忘,復是何物?
據二老總未得勦絕。作麼生道得勦絕去?」
慶良久,福云:「情知你向鬼窟裏作活計」
慶云:「汝作麼生?」
福云:「兩手扶犁水過膝」
―― 景徳伝灯録、巻十九

保福が、長慶慧稜に問う。
「盤山は「光境倶亡、復(は)た是れ何物(なん)ぞ」と言い、
洞山は「光境未亡、復た是れ何物ぞ」と言っている。
この二者の説明では、
まだ主客を滅することができない。
どうすれば、滅することができるか?」
長慶は沈黙で答えたが、保福は言う。
「あなたは、鬼の住む暗闇に生きている」
長慶が訊き返すと、保福は言う。
「両手に犂(すき)を扶(ささ)え水は膝を過ぐ」
つまり、「膝まで泥水に浸かって田を耕している」



        長慶は、語らないことで、
        忘れたふりをすることで、
正解になったつもりでいる。
つまり、得意而忘言、を忘れない。
        それは、小利口になっただけ。
        問題をこじらせただけ。
正解は、得意而忘言、ではない。
正解は、月を見上げて、
        理屈をこねることではない。
        保福の「光境倶亡」は、

        地べたを見つめて働くことである。



    170519.jpg



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2017年05月19日 12:05 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

うふうっスバラシー。
全くわたしの隘路を断っておわらせたなw

イヤミな反論もこざかしい注意喚起も出来ないよ


ただ,『傳燈録』も『碧巌録』も,当時の俗語で書かれます
wwwww
絵がw
さえてますねさすがっ
勦絕は,ブチ壊す、破滅野郎。
活計は,野良しごと,肉体労働者の労働

そこに深い,含蓄がある。

賢人の知恵を,コケにする,見かけ倒しの儒者のリクツを,平たい言葉で,《俗な言葉で》威勢よくぶちかますか,というのが當時の中國禅のアイデンテティだった。
臨済錄とか,ムチャクチャですwことばが,ねw


ついでにいうと,向鬼。
「ワケがわからんっ」は中國語で「見鬼!」といいます,英語のShit!みたいなもんです
きっと向鬼には二重の意味があって
おまえまだわかっとらんっという・・・・地獄に行けっと。
  1. 2017/05/19(金) 23:18:57 |
  2. URL |
  3. 玄 #3E8HQ5Yc
  4. [ 編集 ]

玄さん、こんにちは。

>全くわたしの隘路を断っておわらせたなw
ふふふw、あざっす!

>ただ,『傳燈録』も『碧巌録』も,当時の俗語で書かれます
そうなのぉ~?
ってか、俗語ってのが何なのか、
何語に対しての俗語なのか、
そのあたりも知らないので、
馬鹿っぽく語尾を伸ばしてみました♪
例えば、ほんとに例えばなのですけど、
『伝灯録』は、『碧巌録』の抜粋に、
新たな公案を加えた二次加工だから、
ふつうは『碧巌録』から引いてくるよね、
なんて指摘があったとしても、僕は、
そうなのぉ~?
ってなります。
どうしたものかw。

論文ちっくな文章が書けないのですね。
紀元前の荘子に、
仏教の、日本の、鎌倉の、道元を引き合いに出して、
それだけでも、めちゃくちゃなんだけど、
そんなのは、僕には副次的なことで。
そういう、正しさ、みたいなものに興味がないw。
どうしたものかw。

>絵がw
荘子がデザインしたキャラ、
渾沌ちゃん、ですね。
不足なのか、過剰なのかw。
視力がないくせに進行方向がある。
飛べるとは思えないけれど、
飛ぶ気まんまんw。

なるほどなぁ。
保福は、「ボケカスあほか、くっされ土人がっ、(゚Д゚)ゴルァ!」
くらいの勢いですね。
  1. 2017/05/20(土) 19:03:15 |
  2. URL |
  3. 青梗菜 #-
  4. [ 編集 ]

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