馬鹿の世界の点景になりたい。

qinggengcai

愛、って言うな 9/9


恋愛は、交換可能性から、
交換不可能性への格上げだ。
しかし、交換不可能性へ格上げさせたから、
恋愛が成立したのだろうか。
格上げは、望んでそうなるものだろうか。

恋愛は、偶有性から、単独性への引き上げだ。
しかし、単独性へ引き上げたから、
恋愛が成立したのだろうか。
自分の気持ちは、思いのほか、
自分の思い通りにはなってくれないのではないか。

成行きは、きっと、逆である。
格上げ、引き上げから逃れられなかった関係が恋愛だ。
そのことに気づいていても、いなくても、
おそらく、逃れられないことには変わりはない。
きっと、どうしようもないことなのだろう。

そうなってしまった、
としか言いようがないが、
世界で唯一の人になった誰かに、
仕方がないから、承認を与えよう。
拒否することも、できないのだから。

交換可能な存在を、
交換不可能な存在に昇格させるもの、
それは、共に過ごした時間によって、
変わってしまった現在である。
これも、望んでそうなるものではないだろう。

そのことに気づいていても、いなくても、
変えることができない経歴と、
逃れることができない現在が、
誰かを交換不可能な存在にする。
これも、どうしようもないことなのだろう。

かけがえのない人になった誰かに、
仕方がないから、承認を与えよう。
拒否することも、できないのだから。
そして、僕たちは、その承認を、
例えば、運命、と呼んでいる。

あるいは、愛、と呼んでいる。



みんなが、それを、運命、と呼ぶから、
僕も、それを運命と呼ぶ。
みんなとは、どこかにいるみんなではなく、
僕が、それを運命と呼ぶみんながいるだろうと、
思うことで現れるみんなである。

みんなが、それを、愛、と呼ぶから、
僕も、それを愛と呼ぶ。
愛は、みんなはそこに愛があると思っているのだろう、
そう僕が思うことで、愛になる。
僕は、意味が分かって、言葉を使っているわけではない。

愛は、よく分からない名辞だが、
超越性が求められるほどに、
どうしようもないことに対して、
使われる言葉なのだろう。
では、僕なんかに分かるわけがない。

だから、愛、って言うな。
僕なんかに分かるのなら、愛の超越性が奪われる。



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2015年11月07日 15:07 |
  2. 恋愛
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

コメント

青梗菜さん、おはようございます!!^^

ある女に会い、なぜか徐々にその人とエロエロしたいという思いが強くなり、その実行前後に種々なことをしたりされたりしてきて、今現在となってそれらのことを承認することを、人は愛と呼ぶ、というお話だと理解したのでございます。m(__;m

略すと^^;、愛=承認のうちの一つ、ですが(?)、いい見方だと思うっす!!
  1. 2015/11/09(月) 09:52:59 |
  2. URL |
  3. くわがたお #-
  4. [ 編集 ]

がたおさん、こんにちは。

エロはねぇ、絡めると収拾がつかなくなるからなぁ、
エロはエロで、別にやりますわ~。
愛のある痴漢、とかね、成り立つような気がして、
ちょっと考えてみたけれどw。
痴漢の愛、って、谷崎潤一郎みたいでいいでしょ?w

>今現在となってそれらのことを承認することを、
>人は愛と呼ぶ、
そうそう、事後的にしか分からないことなのに、
始まりにおいては、将来への幻想として愛を語るんだな~。
これは間違いないわ。

なんだかよく分からないけど、特別な人になった。
特別な人である、ってことには承認が、
なんだかよく分からないけど、ってことには超越性が要請されます。
超越性のある承認、それは、
愛でも、運命でも、赤い糸でもなんでもいいけれど。
  1. 2015/11/09(月) 14:59:43 |
  2. URL |
  3. 青梗菜 #-
  4. [ 編集 ]

私なんかは「特別」ということを前世からの縁だ…ぐらいに考えてしまうほど運命論に引っ張られてますw

自分と相手が承認し合っていても
社会からの要請との間に差異があって上手く行かない場合もあるし、それをはね除けて承認し合ったがゆえに生活に不都合が生じ、互いの承認が蔑ろになることもある。

通して読んで私が思ったのは
現代社会では、まず衣食住が保持されていないと承認には漕ぎ着けないな…と。社会生活の保持である、この衣食住を確認するために演技が持ち上がったのではないか…などと。
つまり恋愛は「何だかよく分からない互いの好き」へ社会的承認(外部承認)を得るために形式化したもの。形式化しているゆえに文化。
すると、青梗菜さんのいう「周りから見たら」という観点は、なるほど。

人は酷く社会的だなあ~。
自分の気持ちすら外部の承認を得ようとするw

愛ある痴漢は面白そうです♪
これも外部承認はどうなのか?が浮き彫りになると思います♪

  1. 2015/11/09(月) 18:38:14 |
  2. URL |
  3. 小奈鳩ユウ #0TSJikig
  4. [ 編集 ]

ユウさん、こんにちは。

>私なんかは「特別」ということを前世からの縁だ…
>ぐらいに考えてしまうほど運命論に引っ張られてますw
わはは、ユウさんとの来世が楽しみです。

>現代社会では、まず衣食住が保持されていないと承認には漕ぎ着けないな…と。
うん、人はパンだけで生きるのではなく、ケーキも食べなきゃだめでしょう。
君さえいれば、何もいらない、
なんてことを言わないよなぁ、女子はw。

>形式化しているゆえに文化。
そうやねぇ、恋愛は文化ですわ。
文化住宅、文化包丁みたいな感じもする。
和風で洋風で、新しくて古くて、おしゃれでダサくて、
折衷していて、穏当さを志向します。

>愛ある痴漢は面白そうです♪
痴漢は、満員電車の中にやってくる恋愛です。
一般的な恋愛の型からは、少しだけ外れてしまいますから、
誤解されやすいのが残念ですが、当人には避けられない現実なのです。
人の心の多彩さは、その多彩さを歩んだ者にしか理解されません。
恋愛は、事後的にしか分からないことなのに、
始まりにおいては、将来への幻想として愛を語ります。
痴漢も、同様に、事後的にエッチなことをするのを、
ほんの少しだけ先取りしているに過ぎません。

>これも外部承認はどうなのか?が浮き彫りになると思います♪
痴漢にとっては、外部の承認を得ようとするような、
そんな月並みな恋など、恋ではありません。
冒険者は、困難であればあるほど、危険であればあるほど、
挑戦する価値があると考えるものです。
満員電車とは、この上なく誇り高い自尊心の持主による、
愛を探し求める旅なのですっ。
  1. 2015/11/09(月) 20:08:00 |
  2. URL |
  3. 青梗菜 #-
  4. [ 編集 ]

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