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qinggengcai

論証したくないことは、論証できない


あなたがたを襲った試練で、
人間として耐えられないようなものはなかったはずです。
神は真実な方です。
あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、
試練と共に、それに耐えられるよう、
逃れる道をも備えていてくださいます。
―― コリントの信徒への手紙一、10章、13節、新共同訳

例えば、このフレーズを、主観的に、正しいと思えば、
その裏付けとなる情報を収集することで、
僕たちは、その信仰を強くすることができる。

そのために、多くの時間や労力を投資するが、
見返りを得ようとするケチくさい心性が働いて、
もはや、正しくない、という判断はできなくなる。

逆に、このフレーズを疑う情報については、
もとより関心はなく、探し求めることはない。
判断に際して、合理的に、確証バイアスや、

サンクコストを無視できたとしても、愚かにも、
正しいと思う、思わないの主観からは逃れられない。
僕は、僕が論証したいことを論証する。

論証したくないことは、論証できない。



    

    それなら上等 出るとこへ出るわ 当てにされたい 閃きもとんちも
    もっと迷いたい もっと色めきたい 広い往来で

    ―― 目抜き通り/椎名林檎、トータス松本
    ―― 椎名林檎 作詞作曲、2017、EMI Records Japan



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2019年06月03日 00:03 |
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分かんないことは、分かんないと言わなきゃだめだ


>エノラ・ゲイの乗務員は12名、
>選び抜かれた将校たち。

>そして、もう1人乗組員がいて、
>George Zablecka、カトリックの神父だ。

分かんないことは、
分かんないと言わなきゃだめだ。

馬鹿な僕には、世の中のルールが、
まったく分からない。

そして、ボックスカーも、
神が長崎の人たちに与えた試練か。

利口な人からは、馬鹿な僕の、
何が馬鹿なのかがよく分かるはずだ。

誰か、教えてやってくれないか。



    190602.jpg

あなたがたを襲った試練で、
人間として耐えられないようなものはなかったはずです。
神は真実な方です。
あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、
試練と共に、それに耐えられるよう、
逃れる道をも備えていてくださいます。
―― コリントの信徒への手紙一、10章、13節、新共同訳



対話も、説得も、正当化もいらない、
思考もいらない、何もいらない正しさは、

まるで感情的な余剰性がない。
例えば、ざまあみろ、に比べれば、

込められている意味は、まったく少ない。
冷たい視線でもなく、冷たい言葉でもないが、

そのことが、却って僕を凍りつかせる。



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  1. 2019年06月02日 00:06 |
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耐えられない試練 2/2


各地の司教、司祭、ユダヤ人協会から、
ローマ教皇に対して要請が殺到する。
でも、教皇ピウス12世は、最後まで黙ったまま、
ドイツに抗議をすることはなかった。

1944年8月、127機のアメリカ軍爆撃隊が、
アウシュビッツの工業地域を空爆し、
600t 以上の爆弾を投下している。
そこから収容所までは、8km しか離れていない。

600t の百分の1でも、千分の1でも、
収容所に続く路線に落としてくれていたら、
なんて思うのは、甘っちょろいお人好しだけ。
ユダヤ人が大量虐殺されているのを、

ローマが止めるわけがないだろう。



あなたがたを襲った試練で、
人間として耐えられないようなものはなかったはずです。
神は真実な方です。
あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、
試練と共に、それに耐えられるよう、
逃れる道をも備えていてくださいます。
―― コリントの信徒への手紙一、10章、13節、新共同訳

ユダヤ人を襲った試練は、
人間として耐えられるようなものではなかったはずだ。
では、ユダヤ人は人間ではない、それが、神の真実だ。
ユダヤ人は、耐えられないような試練に遭わされ、

逃れる道も与えられない。



    190531.jpg



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  1. 2019年06月01日 00:04 |
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耐えられない試練 1/2


あなたがたを襲った試練で、
人間として耐えられないようなものはなかったはずです。
神は真実な方です。
あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、
試練と共に、それに耐えられるよう、
逃れる道をも備えていてくださいます。
―― コリントの信徒への手紙一、10章、13節、新共同訳



なんてのを、震災のときに聞いて、
僕は、ただひたすらに怒っていた。
        どこかに書かれていることや、
        他人の台詞を繰り返しているだけのとき、

言葉は発せられたとしても、
そんなのは、言葉ではない。
        試練、って言葉を選ぶと、
        そのフレーズがまとめて出力されるような、

        そんな思考停止は、決して言葉ではない。



川崎市のカリタス小学校は、
市内で唯一のカトリック校で、
        だから、僕が聞きたくないフレーズは、
        また何回も、繰り返されるのだろうか。

それは、広島でも長崎でも、アウシュヴィッツでも、
殺す側でも、殺される側でも、
        何千回も、何万回も、
        お約束のようにリピートされてきたのだろうが、

        せめて黙っていようとは思わないのか。



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  1. 2019年05月31日 00:02 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ ―― 宗教の誕生 12/12


生まれる前の自分を思うのは、
いったい、どんな矛盾なのだろう。
まだ、思う自分がいないのに。
そして、死んだ後の自分を思うのも。
まだ、思う自分がいるなんて。

人が生きる理由を、
生まれてから死ぬまでの、
生の外側に据える矛盾、
始まりも終わりも知らない世界に、
始点と終点を据える矛盾、

それが宗教だと思っている。
きっと、言葉だけがあるのだろう。


いらない、いらない。
人が生きるのに理由なんかいらない。
それとも、理由がなければ、
恋ができないのか、
食べないのか、眠らないのか。

理由がなければできないのなら、
やめろ、やめろ、しなくてもいい。
男なんかやめちまえ、
女なんかやめちまえ、
人なんかやめちまえ。

理由がなければ、
学ばないのか、
働かないのか、
遊ばないのか、
考えないのか。

意味がなければ、
笑わないのか、
泣かないのか、
怒らないのか、
悲しまないのか。

価値がなければ、
がんばれないのか、
感じ取れないのか、
優しくなれないのか。
だったら、ぜんぶやめちまえ。

できる理由なんかない。
理由は、できない者のためにある。


人の生涯は草のよう。
野の花のように咲く。
風がその上に吹けば、消えうせ、
生えていた所を知る者もなくなる。
―― 詩編、103

余計なお世話だ。
人と人との間では、理由も意味も価値も、
何もなくても笑い合える。
泣き合える、怒り合える、悲しみ合える。
だから、人は誰かを必要とする。



    

    うおおお、おっほお

    ―― MR.LONELY/玉置浩二
    ―― 作詞、作曲、玉置浩二、1997、Sony Records



神だって、その誰かのうちの、
一人に過ぎない。



―― 新共同訳聖書
―― 1987、日本聖書協会



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  1. 2018年02月26日 22:23 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ ―― 宗教の誕生 11/xx


今、ここにいる自分、
それを基点とするヨブに対して、
神は、ヨブには与り知らない基点を示す。

    地の基いをわたしがすえたとき君は何処にいたか。
    語れ、もし君がそんなに利巧なら。
    誰が地の量り方をきめたのか、―― 君が知っているのなら。

    誰が地の上に量りなわをはったのか。
    何の上に地の土台がすえられ、
    誰がその隅の首(おや)石を置いたのか、

    朝(あした)の星がともに喜び歌い
    神の子たちがみな喜びよばわったとき。
    ―― ヨブ記、神の弁論とヨブの答え

我田引水、自画自賛、
神は、恩着せがましいことを言う。
こんな暴力と差別の世の中で。



誰のおかげで生きていられると思ってるんだ、
なんてのは、今どきは、
人の間でも聞かない台詞だ。

生んでくれと頼んだ憶えはない、
なんて、お決まりの台詞を返してみようか。
昭和の、反抗期の子供みたく。

誰のおかげで生きて来れたのか、
それくらいのことが分かる子供に、
育てることができなかったのか。

だいじょうぶ、子供の台詞は反語を含んでいる。
分かっている、知っている。
独りで生きて来たわけではない。



分かっている、知っている。
ヨブは最も遅れてこの世の中に来て、
今、世の中を譲り受けている。

世の中は、自分が生まれたのと、
同時に生まれたけれど、
無数の者たちが世の中を作ってくれたから、

自分は今、ここにいる。



    

    あなたの心の奥 眠る眠る無数の記憶

    ―― ポルターガイスト/小島麻由美
    ―― 作詞、作曲、小島麻由美、2003、PONY CANYON



    ―― 旧約聖書 ヨブ記
    ―― 関根正雄 訳、1971、岩波文庫



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  1. 2018年02月25日 01:08 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ ―― 宗教の誕生 10/xx


ヨブ記は、善人がなぜ苦しむのか、
なんて、不条理な話らしいけれど。
        善人が、善人ゆえに苦しむのなら、
        善人が苦しむ理由を探してもいい。
しかし、善人の中で、
とりわけ、ヨブが苦しむ理由はない。
        善人、なんていう、
        どこかにいるような人たちではなくて、

        苦しんでいるのは、ヨブなんだ。



    180223.jpg

    ―― Albert Memmi
    ―― https://www.gettyimages.co.jp/



ヨブが苦しむ理由は、
端的にいって、暴力と差別だろう。
        ヨブ記に暴力と差別を感じない人は、
        おそらく、認知が歪んでいる。
暴力は、丸出しだから、
もう説明はいらないとして、
        差別、ってのは見えにくいから、
        アルベール・メンミを引いてみる。

        そのまんま、ヨブ記のプロットだ。



    差別主義とは、現実上のあるいは架空の差異に
    普遍的、決定的な価値付けをすることであり、
    この価値付けは、告発者が己の特権や攻撃を正当化するために、
    被害者の犠牲をも顧みず己の利益を目的として行うものである。



差別主義者の態度分析として、
メンミが挙げるのは、

    1、差別主義者とその被害者との間に存する現実上の、
    1、あるいは架空空間の差異を強調する。
    2、差別主義者に有利に、そして被害者の犠牲を顧みない形で、
    2、この差異に価値付けする。
    3、この差異を普遍化し、決定的だと断言し、
    3、それを絶対化しようと努める。
    4、現実に存在する、
    4、あるいは可能性として存在しうる攻撃や特権を正当化する。



        ヨブ記は、僕に解るような、
        底の浅い話ではないのかもしれない。
ヨブは、解らない、って言うし、
僕も、解らない、って言う。
        解らなくてもいい。
        無理に解ろうとすれば間違える。
暴力と差別を正当化するような話は、
理解できなくなるんだ、
        人と人との間では。
        さて、神とヨブ、

        どっちの言葉を聞きに行く?



    ―― 差別の構造 ―― 性・人種・身分・階級
    ―― /アルベール・メンミ 著
    ―― 白井成雄 訳、菊地昌実 訳、1971、合同出版



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  1. 2018年02月23日 20:54 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ ―― 宗教の誕生 9/xx


今、ここにいること。
つきつめれば、僕にはそれしかない。
人が生きる理由は何か、
そんな答のない問いよりも、
今、生きていること、

それだけに価値を見つけてくれないか。



    180222.jpg



今、ここにいる自分、
僕にはそれしかない。
それを思考の基点とする。
自分を基にして考える。
自分を置き去りにしない。

ヨブも、そこに始点を定める。
ヨブは、死んでしまえばよかった、
と言っていた。
そして、生まれてこなければよかった、
とは言わなかった。

僕たちには、区別がつかないけれど。



    

    か弱い僕もきっとその後に続いたんだ

    ―― 1984/andymori
    ―― 作詞、作曲、小山田壮平、
    ―― 2010、Youth Records



何故わたしは腹から出て死なず
胎から出たまま息絶えなかったか。
何故わたしは死産の子のように
光を見ない赤子のようにならなかったか。
―― ヨブ記、第一回討論

ヨブは、生命を始点として、すぐに、
終点の到来を望んでいる。
生命がなければ、
何も始まらないから。
もとより、終わる何かもないから。

生まれてこなければよかった、
というフレーズは、
僕たちにはまったく理解できないような、
何もなさを望んでいるということで、
たぶん、ヨブにはその発想がない。

生まれてこなければよかった、
というフレーズに、
違和を感じない人は、
神秘思想を信じているに違いない。
無自覚に、神を受け容れている。

身体がなくても成り立つ生命。
つまり、魂、などと呼ばれる何か。
それは、宗教を支える意識と等質だ。
無意識に、それゆえ、無条件に、
無批判に、神を受け容れている。

おそらく、ヨブよりも敬虔に。



    ―― 旧約聖書 ヨブ記
    ―― 関根正雄 訳、1971、岩波文庫



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  1. 2018年02月22日 20:08 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ ―― 宗教の誕生 8/x


ちょっと過去に行く。
紀元前に行ってくる。
旧約の「ヨブ記」を読みに行く。
ヨブが語った言葉を、

僕が聞きに行ってくる。



    

    時間旅行のツアー はいかが いかがなもの?

    ―― タイム・トラベル/原田真二
    ―― 松本隆 作詞、原田真二 作曲、1978、For Life



神には、人の言葉を、
聞くという習慣がない。
人に関して、必要なものごとを、
すべて知っているのなら、

いまさら聞いて何になる?



人にも、人の言葉を、
聞くという習慣がない。
神の言葉なら知っている。
ヨブが言ったことなど、

いまさら聞いて何になる?



    180213.jpg

    ―― José Ortega y Gasset
    ―― https://cuentosimperdibles.wordpress.com/2013/08/12/dan-auta-jose-ortega-y-gasset/



ヨブが言ったことは、
誰かが心を寄せて、
意味を感じ取ろうと、
努めなければならない。

人と人との間では、
その誰かを必要とする。
ヨブが、自らの言葉の意味に、
気づいていても、

いなくても。



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  1. 2018年02月20日 21:51 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ 7/x


ときは はやく すぎる
ひかる ほしは きえる
だから きみは いくんだ ほほえんで
―― アンパンマンのマーチ

接続詞は、「だけど」ではなく、
「だから」で結ばれる。
それだけで、底が深くなる。
諸行無常、

だから、微笑む。



    

    だから君は行くんだ微笑んで

    ―― アンパンマンのマーチ/黒木佑樹
    ―― やなせたかし 作詞、三木たかし 作曲、1988



人が言ったことは、
誰かが心を寄せて、
意味を感じ取ろうと、
努めなければならない。

人と人との間では、
その誰かを必要とする。
その人が、自らの言葉の意味に、
気づいていても、

いなくても。



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  1. 2018年02月19日 20:27 |
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