馬鹿の世界の点景になりたい。

qinggengcai

人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ ―― 宗教の誕生 11/xx


今、ここにいる自分、
それを基点とするヨブに対して、
神は、ヨブには与り知らない基点を示す。

    地の基いをわたしがすえたとき君は何処にいたか。
    語れ、もし君がそんなに利巧なら。
    誰が地の量り方をきめたのか、―― 君が知っているのなら。

    誰が地の上に量りなわをはったのか。
    何の上に地の土台がすえられ、
    誰がその隅の首(おや)石を置いたのか、

    朝(あした)の星がともに喜び歌い
    神の子たちがみな喜びよばわったとき。
    ―― ヨブ記、神の弁論とヨブの答え

我田引水、自画自賛、
神は、恩着せがましいことを言う。
こんな暴力と差別の世の中で。



誰のおかげで生きていられると思ってるんだ、
なんてのは、今どきは、
人の間でも聞かない台詞だ。

生んでくれと頼んだ憶えはない、
なんて、お決まりの台詞を返してみようか。
昭和の、反抗期の子供みたく。

誰のおかげで生きて来れたのか、
それくらいのことが分かる子供に、
育てることができなかったのか。

だいじょうぶ、子供の台詞は反語を含んでいる。
分かっている、知っている。
独りで生きて来たわけではない。



分かっている、知っている。
ヨブは最も遅れてこの世の中に来て、
今、世の中を譲り受けている。

世の中は、自分が生まれたのと、
同時に生まれたけれど、
無数の者たちが世の中を作ってくれたから、

自分は今、ここにいる。



    

    あなたの心の奥 眠る眠る無数の記憶

    ―― ポルターガイスト/小島麻由美
    ―― 作詞、作曲、小島麻由美、
    ―― 2003、PONY CANYON



    ―― 旧約聖書 ヨブ記
    ―― 関根正雄 訳、1971、岩波文庫



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  1. 2018年02月25日 01:08 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ ―― 宗教の誕生 10/xx


ヨブ記は、善人がなぜ苦しむのか、
なんて、不条理な話らしいけれど。
        善人が、善人ゆえに苦しむのなら、
        善人が苦しむ理由を探してもいい。
しかし、善人の中で、
とりわけ、ヨブが苦しむ理由はない。
        善人、なんていう、
        どこかにいるような人たちではなくて、

        苦しんでいるのは、ヨブなんだ。



    180223.jpg

    ―― Albert Memmi
    ―― https://www.gettyimages.co.jp/



ヨブが苦しむ理由は、
端的にいって、暴力と差別だろう。
        ヨブ記に暴力と差別を感じない人は、
        おそらく、認知が歪んでいる。
暴力は、丸出しだから、
もう説明はいらないとして、
        差別、ってのは見えにくいから、
        アルベール・メンミを引いてみる。

        そのまんま、ヨブ記のプロットだ。



    差別主義とは、現実上のあるいは架空の差異に
    普遍的、決定的な価値付けをすることであり、
    この価値付けは、告発者が己の特権や攻撃を正当化するために、
    被害者の犠牲をも顧みず己の利益を目的として行うものである。



差別主義者の態度分析として、
メンミが挙げるのは、

    1、差別主義者とその被害者との間に存する現実上の、
    1、あるいは架空空間の差異を強調する。
    2、差別主義者に有利に、そして被害者の犠牲を顧みない形で、
    2、この差異に価値付けする。
    3、この差異を普遍化し、決定的だと断言し、
    3、それを絶対化しようと努める。
    4、現実に存在する、
    4、あるいは可能性として存在しうる攻撃や特権を正当化する。



        ヨブ記は、僕に解るような、
        底の浅い話ではないのかもしれない。
ヨブは、解らない、って言うし、
僕も、解らない、って言う。
        解らなくてもいい。
        無理に解ろうとすれば間違える。
暴力と差別を正当化するような話は、
理解できなくなるんだ、
        人と人との間では。
        さて、神とヨブ、

        どっちの言葉を聞きに行く?



    ―― 差別の構造 ―― 性・人種・身分・階級
    ―― /アルベール・メンミ 著
    ―― 白井成雄 訳、菊地昌実 訳、1971、合同出版



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  1. 2018年02月23日 20:54 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ ―― 宗教の誕生 9/xx


今、ここにいること。
つきつめれば、僕にはそれしかない。
人が生きる理由は何か、
そんな答のない問いよりも、
今、生きていること、

それだけに価値を見つけてくれないか。



    180222.jpg



今、ここにいる自分、
僕にはそれしかない。
それを思考の基点とする。
自分を基にして考える。
自分を置き去りにしない。

ヨブも、そこに始点を定める。
ヨブは、死んでしまえばよかった、
と言っていた。
そして、生まれてこなければよかった、
とは言わなかった。

僕たちには、区別がつかないけれど。



    

    か弱い僕もきっとその後に続いたんだ

    ―― 1984/andymori
    ―― 作詞、作曲、小山田壮平、
    ―― 2010、Youth Records



何故わたしは腹から出て死なず
胎から出たまま息絶えなかったか。
何故わたしは死産の子のように
光を見ない赤子のようにならなかったか。
―― ヨブ記、第一回討論

ヨブは、生命を始点として、すぐに、
終点の到来を望んでいる。
生命がなければ、
何も始まらないから。
もとより、終わる何かもないから。

生まれてこなければよかった、
というフレーズは、
僕たちにはまったく理解できないような、
何もなさを望んでいるということで、
たぶん、ヨブにはその発想がない。

生まれてこなければよかった、
というフレーズに、
違和を感じない人は、
神秘思想を信じているに違いない。
無自覚に、神を受け容れている。

身体がなくても成り立つ生命。
つまり、魂、などと呼ばれる何か。
それは、宗教を支える意識と等質だ。
無意識に、それゆえ、無条件に、
無批判に、神を受け容れている。

おそらく、ヨブよりも敬虔に。



    ―― 旧約聖書 ヨブ記
    ―― 関根正雄 訳、1971、岩波文庫



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  1. 2018年02月22日 20:08 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ ―― 宗教の誕生 8/x


ちょっと過去に行く。
紀元前に行ってくる。
旧約の「ヨブ記」を読みに行く。
ヨブが語った言葉を、

僕が聞きに行ってくる。



    

    時間旅行のツアー はいかが いかがなもの?

    ―― タイム・トラベル/原田真二
    ―― 松本隆 作詞、原田真二 作曲、1978、For Life



神には、人の言葉を、
聞くという習慣がない。
人に関して、必要なものごとを、
すべて知っているのなら、

いまさら聞いて何になる?



人にも、人の言葉を、
聞くという習慣がない。
神の言葉なら知っている。
ヨブが言ったことなど、

いまさら聞いて何になる?



    180213.jpg

    ―― José Ortega y Gasset
    ―― https://cuentosimperdibles.wordpress.com/2013/08/12/dan-auta-jose-ortega-y-gasset/



ヨブが言ったことは、
誰かが心を寄せて、
意味を感じ取ろうと、
努めなければならない。

人と人との間では、
その誰かを必要とする。
ヨブが、自らの言葉の意味に、
気づいていても、

いなくても。



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  1. 2018年02月20日 21:51 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ 7/x


ときは はやく すぎる
ひかる ほしは きえる
だから きみは いくんだ ほほえんで
―― アンパンマンのマーチ

接続詞は、「だけど」ではなく、
「だから」で結ばれる。
それだけで、底が深くなる。
諸行無常、

だから、微笑む。



    

    だから君は行くんだ微笑んで

    ―― アンパンマンのマーチ/黒木佑樹
    ―― やなせたかし 作詞、三木たかし 作曲、1988



人が言ったことは、
誰かが心を寄せて、
意味を感じ取ろうと、
努めなければならない。

人と人との間では、
その誰かを必要とする。
その人が、自らの言葉の意味に、
気づいていても、

いなくても。



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  1. 2018年02月19日 20:27 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ 6/x


人が生きる理由は何か、
それは、生きている者の問いであり、
生きていなければ問うことはない。

当たりまえといえば、
当たりまえだけれど。
問いは、その当たりまえさに負けている。

勝ち負けをいうのも違うけれど。
問いは、生命を基にした問いであり、
生まれてこなければ問いはない。

問いは、生命に遅れている。
問いは、生命を追い越せない。
いまさら問うのは遅いんだ。

人が生きる理由は何か、とか、
なぜ人を殺してはいけないのか、とか、
そんなことを言い出しても、

もう遅いんだ。



    170826.png



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  1. 2018年02月19日 12:13 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ 5/x


なんの ために うまれて
なにを して いきるのか
こたえられないなんて
そんなのは いやだ!
―― アンパンマンのマーチ

たった2歳や3歳で、
人は生命から転げ落ちる。
自分の意志で歩くとき、
何のために、何をして、
そんな価値へと駆け上がる。

その価値観は、
生命を取り込んでしまう。
価値観は生命を基にして、
成り立っているにもかかわらず、
生命が価値観に所有されてしまう。

生命の所有により、
生命の価値が抜け落ちる。
生命の所有は、やがて、
その放棄、つまりは、自殺をも、
可能にしてしまうんだ。

40億年前、最初の生命が誕生して、
僕の生命は、その直系卑属に当たる。
その間、生命は、
ひと時も途切れることなく、
僕に受け継がれてきた。

どれだけの生命が失われたのだろう。
どれだけの愛情が注がれたのだろう。
僕のDNAの塩基の並びには、
どんな思いが刻まれているのだろう。
僕が、今、ここにいる、

それだけのために。



    

    だから君は行くんだ微笑んで

    ―― アンパンマンのマーチ/黒木佑樹
    ―― やなせたかし 作詞、三木たかし 作曲、1988



今、ここにいること。
つきつめれば、僕にはそれしかない。
人が生きる理由は何か、
そんな答のない問いよりも、
今、生きていること、

それだけに価値を見つけてくれないか。



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  1. 2018年02月17日 22:04 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ 4/x


人が生きる理由は何か、
なんてのは、生きているから問えることだ。
        当然のことではあるけれど、
        なんだか、負けた気になってくる。

生きる理由なんてない、と思うことも、
生きているから思えることで、
        生まれてこなければよかった、と思うことも、
        生まれてきたから思えることだ。

どんな思いも、生命に負けて、
甘ったるい思い違いにさせられる。
        力を込めても、踏ん張っても、
        自分で自分の身体は持ち上がらない。

走っても、跳んでも、
自分で自分のしっぽには届かない。
        自分のしっぽを追いかけて、
        その場でぐるぐる回る犬のような、

        そんな気分がつき纏(まと)う。



    

    We're in dire straits.

    ―― Sultans Of Swing/Dire Straits
    ―― 作詞、作曲、Mark Knopfler、1978、Vertigo



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  1. 2018年02月17日 12:27 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ 3/x


人が生きる理由は何か、
なんて、遺伝子に、神に、霊に訊いても、
答えてくれるとは思えない。
そこから答を得られたとしても、
人が生きる理由についての、
人に理解できる答なら、
答えているのは人なんだ。

        高次からのメッセージなんてのは、
        僕には難しくて解らないけれど、
        僕ごときに解ってしまったら、
        それは、もはや高次ではあり得ない。
        だから、僕には解らなくてもいい。
        低次の僕に理解された途端に、
        次元がいくつも繰り下がる。

人が生きる理由は何か、
なんて、考えるときには、
すでに理由を探すこともないままに、
生きてしまって久しいから、
さしあたり、理由がなくても、
生きていられることは確からしい。
いまさら誰にも訊く気がしない。

        人が生きる理由は何か、
        なんて、考えても無駄なことくらい、
        たぶん、誰もが知っているから、
        遺伝子を、神を、霊を介在させて、
        お茶を濁したいだけなんだ。
        答なんて、何だっていいから、
        煙に巻かれてみたいんだ。

        たぶん、何だって構わない。
        ただし、問いの不合理性を認めているのなら。
        それを主体的に捉えているのなら。



    161001.jpg



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  1. 2018年02月16日 22:21 |
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人が生きる理由は何か (`ω´)キリッ 2/x


人が生きる理由は何か、
こんなのは考えても無理だ。
どんなにがんばっても無理だろう。

こんな哲学的な引っかけ問題には、
哲学的に違和を感じて、
戸惑ってみせるのが哲学的だ。

人が生きる理由は何か、
この問いの前提は、
人には生きる理由があって、

それを人で括ることができる、
つまり、みんな同じ理由で生きている、
ってことになるけれど、

さらに、その前に、
それを考える者は、
人である、という前提がある。

人が生きる理由なら、
ふつうは人に訊いて、
ふつうは人が答えるから。

遺伝子に訊いても答えてはくれない。
遺伝子が生きる理由なら、
遺伝子に訊けばいいけれど。

訊く先を間違えていないだろうか。
宗教の答なら、
答を神に訊くということで、

スピの答なら、
答を霊に訊くということだ。
星占いの答なら、

答を星座に訊くということだ。



    180215.jpg

    どうでもいい、右とか、左とか。



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  1. 2018年02月15日 21:07 |
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